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NetApp BlueXP:データ エステートを統合

November 1, 2022

Topics: Cloud Manager Advanced8 minute read

ご存じでしたか?NetAppは先日、単一のコントロール プレーンからハイブリッド マルチクラウド データ エステートを構築、運用できる注目の製品、NetApp BlueXPを発表しました。BlueXPの機能と簡易性、そしてデータ主体の組織にとってBlueXPが果たす役割について、その詳細をご説明します。

BlueXPの概要

BlueXPの特長とは

NetApp BlueXPは、NetAppのすべてのストレージおよびデータ サービスを単一のツールに統合して、ハイブリッド マルチクラウド データ エステートの構築、保護、管理を実現します。具体的にはどういうことなのか、詳しく説明していきましょう。

  • データ エステートとは、組織のストレージ インフラと、そこに保管されているデータの組み合わせを指します。ITスタックのようなものですが、データの保管が目的です。
  • 皆さんもおそらくご存じのとおり、データ エステートは常に増え続け、オンプレミスと複数のクラウド、つまりハイブリッド マルチクラウドにわたって拡大しています。

データ エステートが拡大と進化を続けるにつれ、複雑さも増大します。組織では、以下の運用について簡易化と効率化を実現するためのメソッドが必要とされます。

  • ストレージを検出、導入、管理して、検出または作成したストレージにデータを移動することで、データ エステートの基盤を構築
  • エンタープライズクラスの耐障害性とセキュリティを一貫して適用することで、データ損失やサイバー脅威からデータ エステートを保護
  • すべてのサイトや環境にわたってデータの健全性、使用状況、パフォーマンスを完全に可視化して、データ エステートを管理

BlueXPは、これらのデータ エステートの運用がシンプルかつ堅牢に実現されるよう設計されています。これにより、BlueXPでは単一のツールですべてのNetAppテクノロジが統合され、迅速でスマートな運用が可能になります。


最先端のテクノロジと新しいアプローチによる運用の拡大

NetAppは、数十年にわたってデータとストレージの運用を支援するソリューションを企業に提供してきました。NetAppのお客様はご存じかもしれませんが、NetAppはここ数年、統合とシンプルさを重視する方針に切り替え、NetAppのクラウド ストレージ、モビリティ、保護、分析の管理機能を備えた製品から、徐々にCloud Managerと呼ばれる統合管理ツールへの移行を進めています。

NetAppは今、大きな一歩を踏み出しています。さまざまなサイロ化された製品ポートフォリオを共通の管理ツールでそれぞれ管理するのではなく、統合されたNetAppテクノロジをすべて活用できる単一の製品を提供して、データ エステート全体を構築、運用できるよう支援する、それこそがBlueXPです。


BlueXPは具体的にどのような用途で使用できますか?

ITマネージャー、アーキテクト、ストレージ管理者、アプリケーション所有者など、あらゆる職務では、さまざまなプロバイダから提供される多数の異なるデータ、ストレージ システム、サービスを使って作業することが求められます。このように複数のオンプレミス システムやクラウド プロバイダが混在する環境では基本的に異なる点が多く、そのため運用が非常に複雑になり、相互運用性に関する問題が発生します。

また、それぞれのシステム、サービス、アーキテクチャ、構成ツールなどに関する最新の知識やスキルを獲得、維持する必要があり、大きな負担が生じています。

Without BLUEXP-1

複雑に膨大化しがちな企業のデータ エステート

そこで出てきたのが、NetApp BlueXPです。BlueXPは、オンプレミスおよびクラウド環境全体にわたって、統合されたデータ エステートを構築、保護、管理するための単一のコントロール プレーンを提供します。

With BLUEXP-1

1つのデータ エステートに1つの統合コントロール プレーン

BlueXPプラットフォームは、データ管理を支える4つの主要な機能、つまりストレージ、モビリティ、保護、分析と管理を備えています。

  • ストレージ:AWS、Azure、Google Cloud、オンプレミスのどこであってもストレージを検出、導入、管理できます。
  • モビリティ:データの同期、コピー、階層化、キャッシング機能を使用して、必要に応じてデータを移動します。
  • 保護:保護メカニズムを自動化することで、データ損失、計画外停止、ランサムウェアなどのサイバー脅威からデータを保護します。
  • 分析と管理:データ ストレージとインフラを監視、マッピング、最適化するためのツールを利用できます。

BlueXPのこれらの機能について、それぞれ詳しくご説明していきます。

ストレージ

統合データ エステートの構築は、堅牢なストレージ基盤を構築することから始まります。通常、データ ストレージは複数のサイトや環境にわたって散在しています。BlueXPを使用すれば、これらをすべて1つの場所から管理することが可能になります。たとえば、オンプレミスやパブリック クラウドにある既存のNetAppストレージ ボリュームの検出から、新たなストレージ環境の作成まで、BlueXPのCanvasビューからすべて管理できます。


BlueXPで管理できるサービスには、以下があります。

  • ONTAP:AFFオールフラッシュ アレイとFASハイブリッド アレイの基盤となる業界最先端のストレージ オペレーティング システム
  • StorageGRID:NetAppのソフトウェア定義型オブジェクト ストレージ プラットフォーム
  • EシリーズとEFシリーズ:シンプル、高速、かつ信頼性の高いSANストレージを必要とする、広帯域を使用するアプリケーション向けに特化して設計されたシステム
  • Cloud Volumes ONTAP:ネイティブなクラウド インフラを活用して、AWS、Azure、Google Cloudに導入されるONTAPストレージ
  • Amazon FSx for NetApp ONTAP:フルマネージドのAWSネイティブなストレージ サービスとして導入されるONTAPストレージ
  • Azure NetApp Files:フルマネージドのAzureネイティブなストレージ サービスとして導入される、パフォーマンスに優れたONTAPベースのファイル ストレージ
  • Cloud Volumes Service:フルマネージドのGoogle Cloudネイティブなストレージ サービスとして導入される、パフォーマンスに優れたONTAPベースのファイル ストレージ
Homepage CENTER - Storage - Canvas - v2

BlueXPのCanvas

BlueXPのコンソールでは、新規ボリュームやSnapshotコピーの作成、バックアップなどの基本操作から、qtree、クォータ、SVMの管理といった高度な管理タスクまで、上記サービスのすべての管理を行うことができます。

モビリティ

ハイブリッド マルチクラウド環境では、データ エステート全体でデータをシームレスに移動することが必要になります。BlueXPのデータ モビリティ機能は、ストレージ環境間の関係を作成して、必要に応じてデータを移動するのに役立ちます。

標準的なデータ転送ツールとは異なり、BlueXPでは異なるデータ戦略やアーキテクチャにも対応できるよう、サイト間でのデータ移動について次のような複数のメソッドを採用しています。

  • コピーと同期 : オンプレミスとクラウド環境にわたって、さまざまなストレージ システムやサービス間でデータを移動できます。配置場所が異なるデータを一方から他方へミラーリングすることで、継続的に同期できます。
  • 階層化: 使用頻度の低いデータを、オンプレミス ストレージから、オンプレミスとクラウドのいずれかの低コストのオブジェクトストレージに移動します。アプリケーションやユーザは、引き続き元の場所から階層化されたデータにアクセスできますが、未使用のブロックはオブジェクト ストレージに格納されるので、オンプレミスのストレージ スペースが大幅に解放されます。
  • エッジ キャッシング :一元的な場所から使用頻度の高いデータのコピーを作成し、リモート オフィスなど世界中に分散するサイトの近くにキャッシュを置きます。一連のデータ セットは元の場所に保持されますが、1つあるいは複数の場所にキャッシュを置くことで、ユーザやアプリケーションはローカル同様にそれらのデータにアクセスできます。

保護

ストレージとモビリティの機能を使用してハイブリッド マルチクラウド データ エステートの基盤を構築したら、次は、企業に求められる厳しい要件に対応するために必要な保護とセキュリティ対策を導入します。

BlueXPには、以下のNetApp標準のデータ保護機能と自動化が搭載されていて、ストレージ環境に統合することができます。


  • バックアップとリカバリ: ONTAPデータのセキュアなコピーを自動的に作成し、Amazon S3、Azure Blobストレージ、Google Cloud Storage、またはオンプレミスのStorageGRIDデバイスに直接バックアップします。
  • ランサムウェア対策 :ハイブリッド マルチクラウドのデータ エステートについてサイバーセキュリティ用の統合ビューを使用して、リスクや脆弱性を特定し、ベスト プラクティスに基づく実践的な提案事項を提供します。
  • レプリケーション :ONTAPの本番環境データのセカンダリ コピーを作成して、ディザスタ リカバリやバックアップ戦略に対応します。
  • Kubernetes保護 :ONTAPストレージに保存されたKubernetesの永続ボリュームを、クラウドベースのオブジェクト ストレージに自動的にバックアップしてデータを保護します。

分析と管理

データ エステートの構築と保護は、日々継続的に行う必要があるプロセスです。データを確実に管理するために、BlueXPには豊富な分析と管理の統合機能が備えられていて、データのリアルタイムの状況や健全性を追跡することができます。

BlueXPの分析と管理機能は、ハイブリッド マルチクラウド環境で発生したデータやストレージの問題を解決するのに役立つ、実用的な分析情報を提供します。

  • 分類: データの内容を可視化することで、コンプライアンス要件に対応できる分析情報の提供、セキュリティ上の脆弱性の検出、コストの最適化を可能にします。
  • デジタル アドバイザとストレージ健全性: データ エステートのストレージ レイヤを可視化することで、重要な分析情報を提供し、設定ミス、セキュリティ上の脆弱性、パフォーマンスに関する問題への対応を可能にします。
  • オブザーバビリティ: データ エステートのインフラおよびアプリケーションのレイヤを可視化することで、マルチベンダーのシステムにわたってワークフローのトラブルシューティングを実行して、ランサムウェアからデータを保護します。

今後の展望

企業のITがオンプレミスからハイブリッド クラウドに進化した場合でも、あるいはクラウドからマルチクラウドに拡大した場合でも、ストレージの調達、データの移動と保護、環境の監視など日々の運用における責務は、企業にとってますます複雑で困難な課題となっています。

BlueXPはこの問題を解決します。

BlueXPは、効率性と耐障害性に優れた、シンプルかつハイパフォーマンスなデータとストレージの運用を実現する、データ エステートの統合という1つの目的のために設計されています。今後数カ月のうちに、NetAppのさらにいくつかのデータおよびストレージ サービスがBlueXPに統合される予定です。これにより、運用の簡易化と拡張がますます促進されます。


NetAppのハイブリッドおよびマルチクラウド ソリューションのユーザ事例については、こちらから詳細をご覧いただけます。ハイブリッド マルチクラウド データ エステートの可能性を最大限引き出せるよう、ぜひお役立てください。

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